kazutaka_ueyama’s blog

日記かな?

総理大臣が携帯料金値下げを指示した件についての感想。

jp.reuters.com

 

www.gizmodo.jp

上記を読んだ感想。ちょっとナンセンスでは無いかなあ。

通信にかかるコストに関しての問題意識は共有できるとして、問題解決の手法は妥当かどうかでしょうね。

いざこの様な指示を出すからには、まず価格決定に関してのプロセスが不正規で有ると言う旨を根拠として示す必要が有ると思われるが現状それはお持ちなのだろうか。もしも価格がどの様に決定されているのかと言う領域への思慮が成されずのままでこの様な指示がまかり通ってしまう様だと、それは事業者側からすれば事業継続性の維持のために多少理不尽気味でも経営上の代替措置を行うインセンティブを与えてしまって別の部分で不利益を被る存在が出てくる事にもなり兼ねない訳で。

 もしか現状の大手通信事業者に対してだと必要の無い配慮かも知れないが、特に人件費であるとか現場の労務リソースへの原資として収益を直接的に割り当てるべき必要性が高いかも知れない様な業種に対して、消費者への迎合を優先する余り同様の指示が行われてしまった結果から生ずる弊害を想像するのは難しくないのですね。

 携帯料金に関しての現状で言えば大半の顧客は充分にコストに関して納得とは言わないまでも了承をした上で収納に応じており、そこには両者で一定の合意が有ると見做ても大きな問題とならずでは無いでしょうか*1上記で述べた様な様な弊害を想定した場合、政策的にこういう前例は余り作られない方が望ましいですね。

 

 携帯電話業界に関するで有るとか、或は通信政策に関して現状改善をしたいと言う場合、政策立案者としては競争的なメカニズムを促進させると言う方向で問題解決を考えて欲しいです。通信コストに関するテーマを中心とした場合、特定の事業者の価格決定の是非と言うよりは、価格競争力の強さをアピールできる様な事業者が参入して尚且つ主流として振る舞えるような土壌が業界内に無いように見える問題の方を重視すべきかと思います。それから通信端末に関して言えば外国等で製造流通している様なコストパフォーマンスに優れる機器が正規ルートで余り日本の市場に入ってこない様にも思われるのですが、もしも日本に何か非関税障壁になる様な要素が無いか、技術認証等に関しても実質的な障壁として作用してしまう様な現状を否定できないならばこれも即刻見直して解放的な市場を作り上げて行くなど、要するに消費者側にとって選択肢を増やせる様な状況を作って欲しいってことなんですよね。

 今まで安倍政権が経済政策等の方面で支持や評価をされてきたのは経済や市場のメカニズムを尊重して統制的な政策介入を抑制する様にした方向性に対してと言う結果でそれは今の自分としても大きく可笑しいとまでは思いませんし、やはり政策方針として当初にその様に決めたのであれば可能な限りにおいて貫徹させた方がいいのでないでしょうか。今回唱えている様な問題解決に関して手法としては当初から掲げて来た様な政策理念とは噛み合いにくいですし。

*1:コストに不満を感じた上で解約と言う選択肢をとる場合、解約に対するコストが上乗せされる部分には私個人としても不満や問題点を感じない訳で無いけれど、これも現状で継続的に料金を支払える能力のある人達にとってそこまで無理な負担とも言い難い訳で、ここがネックで解約をし難いと言う人は少数になるのでは